【2ch名作】のび太「ドラえもんとか、実際無理だろ」(2)【長編SS】

 

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206 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/02/13(金) 17:18:34.45 ID:aWSpUdyv0
 
時間より5分遅刻して、のび太は生協で二人と合流した。
しずかはドリア、出木杉はスパゲッティを食べている。
のび太は豚骨ラーメンの器をテーブルに置いて、腰掛けた。

しずか「のび太さん、またラーメン?」

のび太「ん? うん。昨日は醤油だったから今日は豚骨」

出木杉「不健康だなぁ」

しばらく取り留めのないことを話しながら食事を楽しむ。
全員が食べ終わったのを見計らって、出木杉が本題に入った。

出木杉「昨日コピーロボットが出たのはスネ夫くん家と、駅の駐輪場付近だよね。
で、実は安孫子大学の都市環境工学科があの辺に
実験用の電磁波の測定装置を設置していたんで、
ちょっとそのデータを見せてもらったんだ」

そう言うと、出木杉は鞄の中からA4の用紙を何枚か取り出した。

 

 

211 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/02/13(金) 17:20:06.96 ID:aWSpUdyv0

出木杉「これが、コピーロボットが出た時間帯の両地域の測定データなんだけど、
コピーロボットが出た時間にどちらの装置も微弱なマイクロ波を測定している。
もっと厳密に言えば極超短波帯なんだけど……つまり準マイクロ波だ。
おまけにこの周波数は現代では観測例がない」

のび太「つまり、コピーロボットがその発信元だと?」

出木杉「可能性は高い。同じものが観測されたらすぐに観測地域を連絡してもらえるよう安孫子大には頼んであるから、
うまくすればコピーロボットの位置を把握できるかもしれない」

のび太「すごいな」

 

 

219 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/02/13(金) 17:22:22.62 ID:aWSpUdyv0

出木杉「驚くのはまだ早いよ。
これは、黒服の男たちが剛田くんの家でどこでもドアを使った時間帯の測定データ。
剛田くんの家からはだいぶ離れた場所に設置されていたにも関わらず強い電磁波を測定している。
どこでもドアの影響だろうね。その直後、東久留米市の一部地域で多大な電波障害が発生している。
おそらく、その近辺がどこでもドアの出口になったんだと思う」

しずか「じゃあ、武さんたちを襲った人たちは東久留米にいるの?」

出木杉「だろうね。どこでもいいなら隣の市なんて中途半端な場所には逃げないと思う。
たぶん奴らの拠点がそこにある」

のび太「時空を曲げるどこでもドアだからね……強い影響が観測されてもおかしくない」

出木杉「これである程度向こうの動きが把握できる」

*このSSはのび太たちの居住区を田無市(現・西東京市)とした設定ですm(_ _)m

 

 

224 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/02/13(金) 17:24:32.39 ID:aWSpUdyv0

のび太「実は僕もちょっと対策を考えてきたんだ」

のび太は紙袋から無骨な機械をいくつか取り出す。

のび太「まずは、受信機。特定の周波数を感知できるんだ。
急いで作ったから精度はあまり良くないけど、相手がコピーロボットかどうかはくらいは確かめられる」

出木杉「やっぱりのび太くんも電磁波の可能性は気づいてたか」

のび太「いや、出木杉くんほど正確には掴んでなかったよ。それと、こっちはスタンガン。
研究室にあったコンデンサを改造して作ったんだ。
これも急ごしらえだから使い捨てだけど、かなりの威力があるよ。
コピーロボットに効くかどうかはわからないけど、ロボットである以上は強い電流には弱いと思う」

出木杉「なるほど……鼻のボタンを押すよりはやりやすそうだ」

のび太「それと、ちょっと面白い機能もついててね……」

そう言ってのび太はニヤリと笑った。

 

 

228 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/02/13(金) 17:26:04.36 ID:aWSpUdyv0

ジャイアンはスネ夫の病室にいた。
ジャイ子の怪我は軽かったのですぐに退院できるとのことだった。
退院し次第すぐに田舎の祖父の家に療養に行かせる話になっていた。
どこでもドアがある以上安心はできないが、とりあえず東京にいるよりは安全だろう。

スネ夫「コピーロボットってもともと人間を襲うことが出来るように出来ているものなのかな?」

ジャイアン「は? そうなんじゃねぇの。現に昨日おまえを襲ったんだろう?」

スネ夫「いや、未来じゃ市販されてるくらいのものだからさ、だったら安全装置というか…
…人に危害を加えるようなことは出来ないように作られてるんじゃないかなって思って。
でなきゃ犯罪し放題じゃん」

ジャイアン「じゃあ昨日おまえを襲ったやつは?」

スネ夫「違法改造じゃないかな。ジャイアンだって高校のころ改造バイクに乗ってたことあったでしょ?
ひみつ道具だって改造するやつがいてもおかしくない」

 

 

235 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/02/13(金) 17:27:37.81 ID:aWSpUdyv0

ジャイアン「そうなると、どうなる?」

スネ夫「やつらが持ってるひみつ道具は僕らが使ってたのより威力が高いってことになる。
そもそも、僕らがコピーロボットの鼻を押さなきゃコピーロボットは僕らに変化できない。
でも、ママはコピーロボットの鼻を押した記憶はないって言ってる……おそらくそれも改造だろう。
奴らのコピーロボットは誰にでも化けれるのかもしれない」

ジャイアン「面倒くせぇな。男なら直接拳で来いってんだ」

ジャイアンはシャドーボクシングをして勇んで見せながら窓際のほうへ行った。
スネ夫は苦笑しながらそれを見る。

 

 

239 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/02/13(金) 17:29:27.71 ID:aWSpUdyv0

ジャイアン「ん?」

スネ夫「どうしたの、ジャイアン」

ジャイアン「出木杉が、いる。病院の門の辺りでこっちを見てるぞ」

スネ夫「そんなまさか。だってあいつら大学にいるって……」

二人は顔を見合わせた。
ジャイアンはすぐに病室を飛び出すと、携帯電話使用可能スペースへ行って出木杉に電話をかける。

出木杉『もしもし、剛田くん? 何かあった?』

ジャイアン「おい出木杉、おまえ今どこにいる?」

出木杉『え? 大学生協の食堂だよ。のび太くんとしずかちゃんも一緒だけど……まさか』

ジャイアン「ああ、おまえのそっくりさんが病院の前でこっちを見てやがんだ」

出木杉『……ちょっと待ってて。すぐにかけ直すから』

電話が切れた。
とりあえずジャイアンは携帯の電源を入れたままスネ夫の病室に戻った。

 

 

244 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/02/13(金) 17:30:55.10 ID:aWSpUdyv0 

窓の外を見ると、偽出木杉はまだ病院の前に立っている。

スネ夫「どうだった?」

ジャイアン「やっぱり、本物の出木杉は大学にいる。ってことはだ、ありゃあ偽者だな」

スネ夫「ここがバレたのかな?」

ジャイアン「わからん」

すぐに、出木杉から電話がかかってきた。今度は病室でそのまま出る。

ジャイアン「おう、俺だ」

出木杉『その病院付近の観測装置が準マイクロ波を測定している。
コピーロボットで間違いないと思う。少なくとも単なる僕のそっくりさんじゃない』

ジャイアン「何だ、その純マイク派ってのは?」

 

 

249 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/02/13(金) 17:32:24.05 ID:aWSpUdyv0

出木杉『準マイクロ波だよ。極超短波帯。
まぁ説明すると難しいんだけど、それを調べればコピーロボットの居場所がわかるんだ』

ジャイアン「なんかわかんねぇけどすげぇな。さすが出木杉だぜ」

出木杉『とりあえず、僕は今日は病院には顔を出さないよ。
もし僕が病院に現れたら、コピーロボットと思ってぶちのめしてくれ』

ジャイアン「わかった」

その一時間後、偽出木杉は病院前を去っていった。
そして、その日はもうコピーロボットが現れることはなかった。

余談だが、その翌日事前連絡して行ったにも関わらず、本物の出木杉はジャイアンにぶちのめされたのだった。
まったくもって理解力のないジャイアンである。

 

 

257 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/02/13(金) 17:33:49.25 ID:rAwzqPoSO

ジャイアンが妙な面白さを出してるなw

 

 

260 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/02/13(金) 17:34:08.81 ID:aWSpUdyv0 

最初の襲撃から2週間ほどが経過した。
のび太たちの予想を裏切り、あれ以降特に襲撃らしい襲撃もなかった。
相変わらずコピーロボット準マイクロ波やどこでもドアによる電波障害は観測され続けていたが、
目立った動きはないままだった。

スネ夫「何を考えてるんだろう、あいつら」

出木杉「様子を見てるんじゃないかな。
何にしても、準備する余裕があるのはこっちとしてはありがたいよ」

しずか「ジャイ子ちゃんたちの方にも変わったことはなかったらしいわね」

出木杉「でも……安心はできないね」

 

 

270 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/02/13(金) 17:35:47.46 ID:aWSpUdyv0

スネ夫「僕もいろいろ調べたんだ」

スネ夫はひざの上のノートパソコンを閉じて言った。
このノートパソコンはスネ夫の自宅にあったもので、病室での使用は許可されていた。

スネ夫「都内だけに留まらず、全国のニュースを調べて、
ひみつ道具が関わっていそうなものを探してみた。

あまりこれといったものはなかったけど、ロシアのサンクトペテルブルクで大規模な電波障害が8回。
どこでもドアかもしれない」

出木杉「いや、そのうち4回は今までのデータと比べると規模が大きすぎる。
もっと強い電磁波を出すもの……どこでもドア以上に時空をゆがめるものだと思う」

スネ夫「とすると……」

しずか「タイムマシンかしら?」

出木杉「だろうね。拠点は東久留米でも、タイムマシンの出入り口はサンクトペテルブルクにあるのかもしれない」

 

 

275 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/02/13(金) 17:37:48.95 ID:aWSpUdyv0 

病室のドアがノックされ、のび太とジャイアンが入ってきた。
ジャイアンは段ボール箱を抱えている。

のび太「出木杉くん、頼まれたもの持ってきたよ」

出木杉「ああ、実用化できた?」

のび太「一応ね」

ジャイアンが持ってる段ボール箱を開け、エアキャップに包まれた携帯電話を取り出す。
 
しずか「携帯?」

出木杉「そう。企業に依頼されてうちの研究室で開発した最新式のGPS携帯。
かなり小さい誤差で相手の居場所を確認できる。
のび太くんに頼んで実用レベルにしてもらったんだ」

のび太「実用レベルとは言っても、通話は無理だよ。
ただGPSでみんなの居場所がわかれば、違う場所にあらわれた場合コピーロボットと疑うことが出来る」

ジャイアン「でもよ、勝手に使っていいのか? 企業のだろ?」

出木杉「大丈夫だよ、その企業って……」

スネ夫「うちの会社なんだ」

スネ夫はニヤリと笑った。

 

 

281 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/02/13(金) 17:40:16.01 ID:RyfRXo1d0

スネ夫までカッコイイとか
支援

 

 

287 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/02/13(金) 17:41:51.63 ID:aWSpUdyv0

スネ夫「僕のこのパソコンでGPS情報をチェックできる。
僕がオペレーターになって、みんなの位置を把握する。
コピーロボットの準マイクロ波も同様にね。
のび太の作った電磁波受信機と合わせれば、コピーロボットに騙されることはないはずさ」

出木杉「ここまでやれば、コピーロボット対策は大丈夫だと思う」

ジャイアン「問題は、黒服の野郎どもだな……あいつらどんだけひみつ道具を持ってるかわからねえ」

出木杉「どのみち、向こうからこない限り、何も出来ないね」

出木杉はそう言ってため息をついた。
防戦一方である。

 

 

291 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/02/13(金) 17:43:42.01 ID:aWSpUdyv0

しずか「のび太さん、最近忙しそうね」

病院からの帰り、しずかが心配そうに言った。
出木杉はこのまま家に帰ると言って行ってしまった。珍しく、しずかと二人っきりだ。

のび太「ちょっと、作ってるものがあるんだ」

しずか「……ドラちゃん?」

のび太「ん……そうだよ。それだけじゃあないけどね」

しずか「しゃべるのよね、確か」

のび太「うん。今のところまだそんな複雑な会話は出来ないけど。
電源入れるとね、朝は『おはよう』、昼は『こんにちは』、夜は『こんばんは』って挨拶をするんだ」

しずか「ドラちゃんの声で?」

のび太「うん、出木杉くんが頑張ってくれてね。ドラえもんそっくりの声が出来たんだ。
まあ研究室のみんなは『何でもっとかわいい声にしなかったんだ』って文句言ってるけどね」

しずか「まぁ、うふふ」

しずかは笑った。のび太も笑った。
久しぶりの和やかな会話だった。彼女を自分のものに出来なくたっていい。
こうやって話すことが出来るなら、自分の気持ちを伝えなくても……

しかし、その和やかさは長くは続かなかった。

 

 

296 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/02/13(金) 17:45:16.13 ID:aWSpUdyv0 

その夜、のび太がスネ夫からの緊急コールを受けたのは研究室でだった。
DR-1――ドラえもんの調整作業と、他の道具を作るために、しずかと別れたから研究室に戻ったのだ。
どちらの作業もちょうど終わったところだった。

スネ夫『準マイクロ波、電波障害の頻度が激しい。コピーロボットの動きが活発化してるんだ……
のび太は今研究室だよな?』

のび太「うん、そうだよ」

スネ夫『病院の前にものび太がいるよ……3人ほど』

のび太「気持ち悪いなぁ」

スネ夫『ああ。とりあえずこっちはジャイアンがいるから大丈夫。
そっちはまた3人で合流して、しずかちゃんを頼むよ』

のび太「わかった」

のび太はすぐに上着を着ると、研究室のドアを開けた。
外へ向かいかけたところで思い直し、研究室に戻り先ほど完成した道具の入ったジェラルミンケースを手にする。
ジェラルミンケースを持つと、今度こそのび太は外に飛び出した。

 

 

302 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/02/13(金) 17:47:10.89 ID:aWSpUdyv0 

出木杉はタクシーを拾うため駅前に向かっていた。
病院のスネ夫との連絡は密にとっている。
前と同じ駐輪場付近で準マイクロ波が測定されてるとのことなので、そちらは避けて別ルートで駅に向かう。
ルートを変えた直後のことだった。
 
携帯電話が急に圏外になる。

電波障害だ。
そう思った直後、前方数メートルのところにピンクのドアが現れる。
 
出木杉(やはり、どこでもドアか……)

ドアが開き、中からスネ夫が――いや、スネ夫のコピーロボットが現れる。

偽スネ夫「やあ、出木杉くん。僕のこと覚えてるかい?」

出木杉「ああ……あのときのコピーロボットだね。今日はノーヘルかい?」

偽スネ夫「ああ、改造してもらったんだ。今の僕は本物のスネ夫のスペックを遥かに超えている。
もちろん、君のスペックもね。そして鼻のボタンは無効化した」

出木杉「ボタンなんか押さなくたって君には負けないと思うけど」

偽スネ夫「出木杉の……出木杉のくせに……」

偽スネ夫「生意気だ!!!!」

偽スネ夫が突進してくる。

 

 

306 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/02/13(金) 17:49:04.98 ID:aWSpUdyv0 

速い。前とは比べ物にならない。

咄嗟に体を横に逸らし、第一撃を避ける。

が、偽スネ夫の間接がありえない方向に曲がり、ポケットからナイフを取り出し突き出してくる。
頬をナイフが掠める。出木杉はわざと体制を崩し、地面を転がり距離をとった。

出木杉(落ち着け……落ち着いて構えれば、組み付くこともできるはずだ)

 

 

310 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/02/13(金) 17:50:43.14 ID:DcdHM7uQO

明日3時起きなんだ…
気になって眠れない>>

 

 

314 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/02/13(金) 17:52:11.37 ID:aWSpUdyv0 

偽スネ夫が再び向かってきた。やはり速い。
だが、今度は素早く身を翻しナイフを持った腕を掴むことに成功した。
一瞬、偽スネ夫の動きが止まる。素早く、軸足を踏み出す。
肘を顎に向かって突き上げ、一気に足を刈り上げる。

出木杉(一本!!!)

前回より見事な大外刈りが決まった。
頭から落ちた偽スネ夫は、受身を取るまもなくコンクリートブロックに後頭部を強打した。

出木杉(……やったか?)

 

 

319 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/02/13(金) 17:53:54.29 ID:aWSpUdyv0

偽スネ夫「痛いなぁ、ひどいじゃないか出木杉くん」

偽スネ夫がゆっくりと起き上がる。
首がありえない方向に曲がり、後頭部が陥没しているにも関わらず、立ち上がったのだ。
思わず恐怖を感じる。

出木杉(駄目だ、やはりとどめを刺さなければ)

出木杉は上着のうちポケットからのび太の作ったスタンガンを取り出し、
偽スネ夫のむき出しの首めがけて突き出した。
その瞬間バキッと音を鳴らし、エクソシストよろしく偽スネ夫は上体を反らし攻撃をかわす。
そしてすぐに体を起こし、出木杉の腕を掴み驚異的な力で捩じ上げた。

出木杉「ぐああああああああああああ」

偽スネ夫「何これ、スタンガン? これで僕を倒すつもりだった? 危ないなぁ」

出木杉「うあぁああ、腕が、腕がああああ!!」

偽スネ夫「ロボットを倒せるくらいのすごい電流を、もし人間がくらったらいったいどうなるんだろうね」

 

 

338 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/02/13(金) 17:58:13.91 ID:aWSpUdyv0

出木杉の手からスタンガンをもぎ取ると、偽スネ夫は出木杉の体を近くのフェンスに叩きつける。

出木杉「うがっ!!はぁ……はぁ……」

偽スネ夫「出来杉のくせに僕を倒そうなんて、生意気なんだよ」

出木杉「ぐ……あ……」

偽スネ夫「君はどうせしずかちゃんを手に入れることもできない。脇役に過ぎないんだよ。
ちょっと人よりできるだけで、調子に乗りすぎたね」

出木杉の首に、スタンガンの電極が押し付けられる。

偽スネ夫「じゃあね、生意気な脇役くん」

偽スネ夫がスタンガンのスイッチを押した――

 

 

342 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/02/13(金) 17:59:59.56 ID:aWSpUdyv0 

――パァン!!
閃光とともに火花が飛ぶ。口から煙を出し、痙攣しながら……偽スネ夫がくず折れる。
 
偽スネ夫「なん……なん……な……んで……」

最後に大きく痙攣してコピーロボットは動かなくなった。

出木杉「ぐ……危なかった……」

出木杉「しかしのび太くんも意地の悪い武器を作るよな」

足元から、焦げたスタンガンを拾いあげる。

出木杉「スイッチから電流が流れるスタンガンなんてさ」 

 

 

352 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/02/13(金) 18:01:30.87 ID:aWSpUdyv0 

2週間前、スタンガンを渡しながらのび太が説明していた。

のび太「このスタンガンはね、特殊な装置がついてるんだ。グリップの底についてる小さなつまみなんだけど……
これを右にひねると普通にスタンガンとして使える。
ところがこれを左にしておくと、回路が切り替わり電極ではなくスイッチから電流が流れるんだ」

しずか「どうしてそんな機能を?」

のび太「威力の高い武器ほど相手に奪われたときの対策が必要なのさ。
自分が使うとき以外はつまみを左にセットしておく。
これなら敵にスタンガンをとられても、知らずに向こうがこれを使えば自滅させられる」

出木杉「なんというか、さすがのび太くん……悪知恵が働くね」

 

 

362 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/02/13(金) 18:03:02.63 ID:0ZwBSB1P0

のび太すげえwwwwwwwwwwwwww

 

 

363 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/02/13(金) 18:03:05.83 ID:aWSpUdyv0

スネ夫「……!? おかしい」

ジャイアン「どうした、スネ夫」

スネ夫「準マイクロ波の反応はそのままなのに、外のやつらの姿が消えたんだ」

ジャイアン「なにぃ!?」

スネ夫「おかしい……周波数から見てもコピーロボットがいるのは間違いないのに、何で見えないんだ?」

ジャイアン「おい、どうすんだ!やつらこっちに来るんじゃないか?」

スネ夫「ちょっと待ってよ……周波数を変えて測定データを検索……!!
今までに測定されてない微弱な電磁波がコピーロボットの準マイクロ波と同調してる……
そうか、石ころ帽子だ!!」

ジャイアン「どうすんだよ!向こうの姿が見えなきゃ戦えないぞ!!」

スネ夫「電磁波受信機だ!あれで敵の方向を確かめて、GPSと合わせて僕が向こうの位置情報を出す!
ジャイアンはそれに合わせて戦うんだ」

ジャイアン「やるしかねぇみたいだな」

 

 

370 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/02/13(金) 18:04:44.45 ID:aWSpUdyv0 

スネ夫が高速でパソコンのキーボードを叩く。
ジャイアンは念のため釣竿ケースから猟銃を取り出し、弾を込めておく。

スネ夫「きた!!この病室の外の廊下、右方向だ!」

ジャイアン「おう!」

猟銃をドアに向けて構える。入ってきたらすぐに発砲できる状態だ。

スネ夫「まだだよ、ジャイアン……壁の向こう、すぐ近くにいるけどそこで止まってるみたいだ。
ドアが開いてもすぐには撃たないでね」

ゆっくりとドアが開く。しかし、スネ夫の指示がないのでジャイアンは焦りをこらえながらじっと待つ。

スネ夫「きた!今だ!!」

ジャイアン「うおおおおおおおっ!!!」

――ドォン!!

猟銃が火を噴き、何もないはずの空間に弾があたり火花を散らした。
近くに石ころ帽子が転がり、コピーロボットが姿を現す。
のび太の姿をしていた。

 

 

379 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/02/13(金) 18:06:29.81 ID:aWSpUdyv0

偽のび太「痛いじゃないか、ひどいよジャイアン」

スネ夫「!!まだ生きてる!」

ジャイアン「へっ……銃で撃たれても平気なんて、のび太のくせに生意気じゃねぇか」

偽のび太「やれるもんならやってみなよ。心の友を本気で殴れるかい?」

ジャイアン「…………」

偽のび太「無理だよね? だって僕らは心のと……がぁあ!!!」

ジャイアンの右ストレートが偽のび太の顔面にクリーンヒットする。
そのまま倒れた偽のび太に馬乗りになると、ボカボカボカボカ殴り続ける。

ジャイアン「殴れるかだとぉ? 殴れるに決まってるじゃねぇか。
のび太をいじめんのはなぁ、俺のライフワークなんだよ!!」

スネ夫(……のび太の姿してきたのは奴の最大の失敗だな)

 

 

386 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/02/13(金) 18:08:13.17 ID:aWSpUdyv0 

そのとき、スネ夫は見た。
コピーロボットを殴り続けるジャイアンの背後にピンクのドアが開くのを。

スネ夫「ジャイアン!うしろ……」

黒服2「バン」

言い切るより早く男の空気ピストルが発砲された。
肩口を射抜かれてジャイアンが体勢を
崩す。

ジャイアン「うがぁ!!」

スネ夫「ジャイアン!!」

黒服2「おおっと、動くなよ。俺の空気ピストルは改造してあるからな。
人間を撃ち殺すことなんて簡単なんだよ」

スネ夫「おまえ……いったい誰なんだよ!!」

黒服1「ただの未来人さ。といってもテロリストだがな」

スネ夫「テロ……リスト?」

 

 

389 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/02/13(金) 18:10:03.06 ID:aWSpUdyv0

黒服1「そうさ。過去に逃亡したはいいが、タイム・パトロールに追って来られると面倒だ。
だからこの時代に来てタイムマシンの発明者を殺したわけさ。
これで未来は変わり、タイムマシンの発明は遅れることになる。
俺のいた時代にはタイムマシンは発明されていないから当然タイム・パトロールもいない。
もっと未来になればタイム・パトロールも出てくるが、
それ以前にタイムマシンがあったはずもないから奴らに俺たちの存在がばれる事はない」

スネ夫「そんな……いや、おかしい。そしたらおまえたちのいた時代にはタイムマシンはないわけだから、
おまえたちがタイムマシンを持つことも出来ないはずじゃないか」

黒服1「普通なら、な。だが俺たちはタイムマシンの製作者を、タイムマシンに乗りながら殺した。
わかるか? つまり未来が変わったその瞬間、俺たちはタイムマシンの航行する四次元空間にいたわけだ。
未来が変わったことによる修正も、四次元空間には干渉できない。
だから、俺たちはタイム・パラドクスの修正の影響を受けなかったってわけさ」

 

 

395 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/02/13(金) 18:12:32.77 ID:aWSpUdyv0

スネ夫「じゃ、じゃあ未来が変わった瞬間偶然タイムマシンに乗っていた他の人間は?」

黒服2「あ? 全員殺したよ」

黒服1「あとは、タイムマシン発明以前にタイムマシンの存在を知ってしまったおまえらを殺せば
俺たちの計画は完璧だ。誰も俺たちを追うことは出来なくなる」

ジャイアン「てめぇら、そんなことのためにジャイ子を、スネ夫を、こんな目に合わせやがったのか!!!」

黒服2「威勢がいいな、ゴリラ野郎が……バン」

ジャイアン「ぐぁああ!!」

空気ピストルがジャイアンの脚に穴を開ける。
さしもの豪傑ジャイアンもたまらずのたうちまわる。

スネ夫「ジャイアン!!!」

黒服1「おっと、動くなよ。傷口がまた一個増えるぜ?」

 

 

398 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/02/13(金) 18:14:05.83 ID:JXfyZ+fI0

やばいめっちゃおもろい

 

 

399 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/02/13(金) 18:14:26.96 ID:aWSpUdyv0

黒服2「しかし、このゴリラ……剛田武だっけ? とんでもねぇ奴だな。
コピーロボットを素手で壊しちまいやがった」

黒服1「まるで人間凶器だな。さっさと殺しとけ」

スネ夫(人間凶器?……そうだ!!)

スネ夫「ジャイアン!歌うんだ!!大声で歌うんだ!!」

ジャイアン「な……!?」

スネ夫「早く!!!!」

黒服2「ごちゃごちゃうるせぇ!バ……」

その瞬間、ジャイアンは咆哮した。
昔口ずさんだあのガキ大将の歌を、全力で歌った。

黒服1「ぐあああああ!なんだ、この怪音波は!!」

黒服2「バン!バン!……駄目だ!うるさすぎて空気ピストルの音声認識が出来ない!」

 

 

411 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/02/13(金) 18:16:15.37 ID:aWSpUdyv0

ジャイアン「おぉぉぉおぉれぇぇぇはジャイアァァァァァン!!」

歌いながら、豪傑・ジャイアンが立ち上がる。
肩と脚から血を滴らせ、歌いながら黒服に向かっていく。

ジャイアン「がぁぁぁぁぁっきだあいしょぉぉぉぉぉぉぉぉぉおおおお!!」

黒服2「うががががががががが」

黒服の首をジャイアンの豪腕が思いっきり締め付ける。

 ――メキメキメキメキ

ついに黒服の男は気を失い、ジャイアンの手から滑り落ちる。
しかし、その直後ジャイアンの歌声が止まる。

黒服1「調子に……乗りやがって」

もう一人の男の手に握られたナイフが、ジャイアンの腹部に突き刺さっていた。

 

 

420 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/02/13(金) 18:18:52.55 ID:aWSpUdyv0

スネ夫「ジャイアン!!」

ジャイアン「ぐ……おお……スネ夫、逃げろ!!」

スネ夫「!!」

ジャイアン「逃げろ!このことをのび太たちに知らせるんだ……早く行けぇぇぇ!!」

ジャイアンは血を滴らせながら黒服に掴み掛かる。
黒服の男はジャイアンを引き離そうと必死だ。

ジャイアン「行けぇぇぇっ!スネ夫!!!」

スネ夫(ごめん、ジャイアン。ごめん!!)

スネ夫はベットから転げ落ちると、コピーロボットの使っていた石ころ帽子を拾い、
痛む傷口を押さえながら病室から駆け出していった。
走りながら院内を眺める。
医師から患者から、皆眠らされていた。殺されている者もいる。

スネ夫(僕らのせいで……)

スネ夫は泣きながら走った。

 

 

426 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/02/13(金) 18:20:25.69 ID:aWSpUdyv0 

のび太としずかは駅前で何とか出木杉と合流に成功した。
出木杉は腕を折られていたが、コピーロボットを一体倒したとのことだった。

出木杉「それより……スネ夫くんたちとさっきから連絡が取れないんだ」

のび太「うん、それは僕らも心配してたんだ。出木杉くんと合流したら病院に行ってみようかって話してた」

しずか「……待って!スネ夫さんから電話が……もしもし、スネ夫さん?」

スネ夫『ああ、しずかちゃん。実は……』

 

 

430 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/02/13(金) 18:21:55.26 ID:aWSpUdyv0

出木杉「そんな……テロリストなんて」

のび太「だからタイムマシンの発明が遅れたのか」

出木杉「で、スネ夫くんは大丈夫なの?」

しずか「石ころ帽子を被って逃げてるって。でも武さんが……」

???「剛田武なら、ここだよ」

振り向くと、そこには黒服の男が立っていた。
地面には血まみれのジャイアンが横たわり、その首にはナイフが突きつけられている。

しずか「武さん!!!」

のび太「おまえは、ジャイ子ちゃんたちを襲った……」

黒服1「覚えていてもらって光栄だよ。野比のび太」

 

 

435 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/02/13(金) 18:24:15.68 ID:aWSpUdyv0

出木杉「剛田くんを離せ!」

黒服1「それは出来ん。こいつのせいで相方を失ったんだ。
コピーロボットも全部壊されてしまったからね……

あとは俺が自分で君たちを殺さねばならん」

出木杉「なら……さっさと殺せばいいじゃないか」

黒服1「そうはいかない。骨川スネ夫がまだ石ころ帽子を被って逃げている。
あいつを誘き寄せるまで生きててもらわなきゃいけない。
GPSでおまえたちの居場所がわかるんだろ?
ならスネ夫はかならずここへ来る。そして、全員殺す」

しずか「そんな……」

 

 

442 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/02/13(金) 18:25:52.11 ID:aWSpUdyv0 

のび太はジュラルミンケースを持つ手に力を込めた。

のび太(まだだ……まだチャンスはある。この道具さえ使えれば……)

しかし、そのとき黒服の目がのび太のジュラルミンケースをとらえた。

黒服1「おい、そのジュラルミンケースをこっちによこせ」

のび太「!!」

黒服1「後生大事に持ってるところ見るとよっぽど大事なものらしい。
起死回生のアイテムってところか。お得意の電磁波受信機か? スタンガンか?
それとも新しい武器でも開発したか……何にせよ俺にとって邪魔な物に違いはない。
使われると面倒だ。こっちへよこせ」

のび太「…………」

黒服1「早くしろ。心の友の剛田が死んでもいいのか?」

出木杉「のび太くん……しかたがない。何が入ってるのかわからないけどそれを……」

しずか「のび太さん……」

のび太は唇を噛み、黒服を睨み付けるとジュラルミンケースを胸の前に持ち、黒服の方へとゆっくり歩いていく。
黒服まで2メートル位の場所まで近づく。

 

 

449 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/02/13(金) 18:27:37.74 ID:aWSpUdyv0

黒服1「そうだ、それでいい。そこへジュラルミンケースを置け」

のび太「残念だったね」

黒服1「何?」

のび太「おまえの負けだ」

のび太はジュラルミンケースの下部のボタンを押した。
ケースの側面がスライドし、中から砲身が現れる。

のび太「バン!!」

射出された空気の塊が黒服の体を吹っ飛ばした。

 

 

458 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/02/13(金) 18:29:13.76 ID:aWSpUdyv0 

吹っ飛ばされた男はコンクリートの壁に叩きつけられ、そのまま動かなくなった。
すぐにしずかがジャイアンのもとに駆け寄る。

しずか「武さん、大丈夫?」

ジャイアン「う……なんとか」

出木杉「のび太くん……それ、空気ピストル?」

のび太「土壇場で完成させたんだ。まさかこのジュラルミンケースそのものが武器だとはあいつも思わなかったろうね」

出木杉「しかし、どうやって……」

のび太「空気ピストルは確かにすごいナノマシンだ。しかし、あのサイズにすることを諦めれば、
性能こそ劣るものの現代の科学で代用しうるものだったんだよ。
音声認識はDR-1のときに使ったものがあるしね。そして、どうにもならない部分は……」

懐から、のび太はビックライトを取り出す。

のび太「ビックライトで壊れた空気ピストルを大きくして、そこから直接取り出したんだ。
全部が全部壊れてるわけでもなかったしね。
撃つ前に空気の圧縮に20秒ほどかかるのが難点だけど……

それにこんなに大きいと、空気ピストルというより空気砲だしね。あはは……」

出木杉「まったく……敵わないよ。のび太くんには」

 

 

465 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/02/13(金) 18:30:13.46 ID:LtPxkruQ0

のび太に惚れた

 

 

471 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/02/13(金) 18:31:23.14 ID:aWSpUdyv0

のび太「これで……終わったのかな」

出木杉「たぶんね」

しずか「――!!待って、おかしいわ!!」

のび太「どうしたの、しずかちゃん?」

しずか「のび太さん、緊急コールのときスネ夫さん何て言ってた?」

のび太「えっと……準マイクロ波と電波障害の頻度が激しいって。
それと病院前に僕に化けたコピーロボットが3体いるって」

しずか「つまり、最低でもコピーロボットは3体いる……そして、1体は出木杉さんが倒したのよね?」

出木杉「ああ」

しずか「武さん、あなたはコピーロボットをいくつ倒したの?」

ジャイアン「……ひとつだけ……だ」

出木杉「!!」

 

 

479 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/02/13(金) 18:32:53.51 ID:aWSpUdyv0
のび太「1体……足りない。でもどういうこと? あの男は『コピーロボットも全部壊された』って……」

出来杉「まさか!」

何かに気づいたように、出木杉が横たわる黒服の男に近づいていく。
上着のポケットから電磁波受信機を取り出すと、黒服に近づけた。
 
ランプが赤く点灯する。

出木杉「こいつ……コピーロボットだ!!」

???「よく気づいたな。だがもう遅い……ドカン!ドカン!ドカン!」

背後から空気砲を打ち込まれ、のび太、しずか、出木杉が昏倒する。

黒服1「俺が本物だ」

 

 

490 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/02/13(金) 18:34:43.36 ID:aWSpUdyv0 

のび太が目を覚ますと、そこは藤子大学の共同研究室だった。
DR-1を作っている部屋だ。作業台の上にドラえもんそっくりのDR-1が乗っている。
部屋の中には他に、出木杉とジャイアンとしずかもいた。
3人も、そしてのび太自身も口にガムテープを張られ、体をロープで縛られている。
目の前には、黒服の男。その指には空気ピストルが装着されていた。

黒服1「剛田武は知っているだろうが、この空気ピストルは改造品だ。
貫通力もあるし、十分に人間を殺す威力がある」

男はその空気ピストルの銃口をしずかの眉間に向けた。

 

 

500 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/02/13(金) 18:36:31.44 ID:aWSpUdyv0

黒服1「安心してくれ。骨川スネ夫が来るまでは君たちは殺さない。
奴を呼ぶための餌になってほしいんでね……。
しかし、ただ待っているのも退屈だ。ちょっとした遊びをしようじゃないか」

黒服はそういうと、ジュラルミンケースをのび太が作った空気ピストルを机の上に乗せ、銃口を自分の方へと向けた。
 
黒服1「空気の圧縮はしておいた。つまり、君たちの誰かが”あの言葉”を口にすれば、
この空気ピストルで俺を倒せるということになる。
――ところで、見たところ君の作った空気ピストルは誰の声でも反応するようにできているらしい。
しかし、普通はそれじゃ暴発の可能性がある。
だから俺の空気ピストルは、登録した人間の声だけに反応するようになっている。
同時に登録できる声は5人まで。
そして……今この空気ピストルには俺、死んだ相棒、野比のび太、出木杉英才、剛田武の声が登録されている」

黒服の男は近づいてくると、のび太の口のガムテープをはがした。
続いて、出木杉、ジャイアンのガムテープもはがす。
そして再び空気ピストルをしずかの眉間に向けた。

黒服1「さあ、言いたければ言え。”あの言葉”を言えばおまえらの空気ピストルが作動して俺を倒すことが出来る。
ただし、同時に俺の空気ピストルも作動し、源静香が死ぬことになるがな」

 

 

508 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/02/13(金) 18:38:07.28 ID:aWSpUdyv0

のび太、出木杉、ジャイアンの3人は黙っていた。
「バン」と言えば黒服の男を倒すことが出来る。
しかし、同時にしずかも死ぬ……

ジャイアン(言えねぇ……言えばしずかちゃんが死んじまう)

出木杉(……奴の空気ピストルに登録されている声は、僕、のび太くん、剛田くん、黒服の男たち……ということは)

のび太(奴の空気ピストルに声を登録されてない人間……スネ夫が奴に見つかるより先に「バン」と言えば僕らの勝ちだ)

しずかが、「わたしに構わず言って」と言いたげな目で3人を見ている。
しかし、その選択肢は3人にはなかった。
 
出木杉(やるしかない……)

出木杉は後ろ手で携帯電話を操作し、スネ夫の携帯に電話をかけた。

【2ch名作】のび太「ドラえもんとか、実際無理だろ」(3)【長編SS】

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転載元:https://takeshima.5ch.net/test/read.cgi/news4vip/1234507779/

 

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